次回の展示ご案内(10/26~1/19)

第43回土門拳賞受賞作品展
石川真生 私に何ができるか

 第43回土門拳賞は、1970年代から一貫して沖縄と沖縄の人々を撮影し続けている石川真生氏の写真展「石川真生 私に何ができるか」(東京オペラシティ アートギャラリーにて2023年に開催)が受賞しました。この展覧会では、黒人米兵を顧客とするバーで働きながら、同僚の女性たちと黒人兵士との交友を撮影した初期作品から、琉球史のさまざまなシーンを友人知己に演じてもらった創作写真と米軍が存在し続ける沖縄の現在に迫るドキュメンタリーとで構成される『大琉球写真絵巻』まで、約50年間の作品166点を展示。当事者として状況に身を投じその場を浮かび上がらせた写真とともに、半世紀以上一貫して撮り続ける意志が高く評価され、今回の受賞に至りました。土門拳記念館における受賞展では、その中から厳選された21点を展示いたします。

協力:東京オペラシティ アートギャラリー / 沖縄県立博物館・美術館


※会場では、当館学芸員が撮影した石川氏のインタビュー映像を会場限定で上映いたします。




同時開催
土門拳のマチエール!
 写真家・土門拳(1909 - 1990)は幼い頃から多くの書物を読み漁り、古今東西の美術に強い関心を抱いていました。青年期 に憧れていた画家の道は19歳の頃に諦めたものの、後年に写真家として大成してからも、しばしば美術的・絵画的な視点から写真について語っています。そうした中で土門が頻繁に使った言葉の1つが「マチエール」です。本来は西洋絵画における絵具の質感を指すために使われることが多いこの単語を、土門は写真に関する言説の中でよく用いました。たとえば、「マチエールの問題こそ近代油絵の重要な課題であると同時に、油絵とは全く違った意味で近代写真の重要な課題だと思う」「マチエールをつかむということは、写真的肉体を形成するということなんだ」といった土門の言葉からは、彼にとってマチエールという概念が極めて重要だったことが窺えます。

 また、仏像の“へそ”について「指をつっこんでくすぐってみたい」と語ったり、風景写真に関する持論を述べる際に「手でつかめる風景」という独自の概念を用いたりするなど、被写体や写真を巡る彼の思考の中にはしばしば触覚的な感覚が表れています。土門が得意としたクローズアップ撮影――物質が持つ質感を局所的に強調する手法――なども、そうした志向の表れだったのかもしれません。本展では、「マチエール」「質感」「触覚」などをキーワードに、多様なジャンルの土門作品を横断しながらその特性を再考します。


開館 9:00~17:00[入館は16:30まで]
会期中の休館日 12/2(月)、9(月)、16(月)、23(月)、12/29(日)~1/3(金)、1/6(月)、14(火)
入館料 一般 800円 / 高校生 400円 / 中学生以下無料


《会期中のイベント》

11/2(土)、12/14(土)、1/11(土)いずれも14:00〜
要予約 / 参加無料(要入館料)

・座禅体験
1/20(月)10:00~
要予約 / 参加料金等詳細は後日ホームぺージにてお知らせいたします

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