DOCOMOMO Japanによる「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選ばれました
DOCOMOMO Japan(DOCOMOMO=The Documentation and Conservation of buildings,sites and neighborhoods of the Modern Movementの略称。「ドコモモ」と読む。)は、近現代建築の記録と保存に取り組む国際的学術組織で、1988年に設立されました。モダン・ムーブメント(近代運動)の推進に寄与した建築の歴史的、文化的重要性を訴え、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として、今回新たに、≪土門拳記念館≫が選ばれました。(DOCOMOMO Japanより2024年6月発表)
選定を行った一般財団法人DOCOMOMO Japanからの評価は、以下の通りです。
白鳥池(拳湖)と小高い飯森山との境界に設置された『大壁』(土門拳の偉業を記念)、それによって仕切られたイサムノグチの彫刻『土門さん』が建つ中庭、『大壁』をくぐり池に張り出した『土門拳記念室』、勅使河原宏による作庭『流れ』、辿る空間のシークエンスが豊かで美しい。外観は花崗岩とコンクリート、ガラスなど必要最低限で構成され、美術館建築にありがちな外観での過剰な主張は抑えられ、ランドスケープに調和したストイックな表現である。谷口は国内外に多くの美術館を設計しているが、その初期代表作と言って差支えないだろう。なお、個人の作品に特化した美術館は前例が無かったため、当初予定していた国の補助が受けられず、市民が寄付集めに尽力して実現させたエピソードもあり、記念館への想いは強い。
(DOCOMOMO Japan 評価書より抜粋)