土門拳記念館について
こだわりの設計
記念館の建設に当たって、土門拳と深い親交のあった芸術家たちが力を集結した。グラフィックデザイナー亀倉雄策氏が入口正面に銘板とほかにポスター・チケットを、彫刻家イサム・ノグチ氏が中庭に彫刻とベンチを、華道草月流三代目家元勅使河原宏氏が庭園とオブジェを、それぞれに寄贈。この友情のプレゼントは、記念館の芸術的趣を一段と高めている。2009年には、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星として掲載された。
[設計]谷口吉生
土門拳記念館の設計に私が携わることになった直接のきっかけは、建設委員の一人の方からの突然の電話であった。その後、建主である酒田市や建設委員会の方々の来訪を受け、この大変意義深い計画の設計をお引き受けすることになった次第である。
当時土門氏はすでに重い病の中にあったが、土門氏を中心とした人々の強い連帯感と、写真という分野を通して創作について深く理解を示す人々に支えられて、私の設計した建築は完成した。この一座建立の精神に支えられた貴い体験は、その後の私の設計活動の中でも、常に心に残る感動的なものとなっている。
<中略>
写真作品と建築と自然との融合、形として点在する数々の親しい人々の協力、私の目指した設計が、ここを訪れる人々にとって土門拳の世界を思うにふさわしい環境であることを常に願っている。
土門拳記念館の設計に私が携わることになった直接のきっかけは、建設委員の一人の方からの突然の電話であった。その後、建主である酒田市や建設委員会の方々の来訪を受け、この大変意義深い計画の設計をお引き受けすることになった次第である。
当時土門氏はすでに重い病の中にあったが、土門氏を中心とした人々の強い連帯感と、写真という分野を通して創作について深く理解を示す人々に支えられて、私の設計した建築は完成した。この一座建立の精神に支えられた貴い体験は、その後の私の設計活動の中でも、常に心に残る感動的なものとなっている。
<中略>
写真作品と建築と自然との融合、形として点在する数々の親しい人々の協力、私の目指した設計が、ここを訪れる人々にとって土門拳の世界を思うにふさわしい環境であることを常に願っている。
小学館 土門拳の昭和3「日本の風景」(1995)より抜粋
谷口吉生(たにぐち よしお)1937〜
東京都生まれ。
建築家(谷口建築設計研究所主宰)
資生堂アートハウス、東京都葛西臨海水族館、丸亀市猪熊弦一郎美術館、豊田市美術館、ニューヨーク近代美術館の改装など、作品多数。
ハーバード大学アップルトン賞、日本建築学芸会賞、吉田五十八賞、芸術院賞など数々の賞を受賞。
父は、土門拳と親交の厚かった建築家、谷口吉郎(たにぐち よしろう)。
建築家(谷口建築設計研究所主宰)
資生堂アートハウス、東京都葛西臨海水族館、丸亀市猪熊弦一郎美術館、豊田市美術館、ニューヨーク近代美術館の改装など、作品多数。
ハーバード大学アップルトン賞、日本建築学芸会賞、吉田五十八賞、芸術院賞など数々の賞を受賞。
父は、土門拳と親交の厚かった建築家、谷口吉郎(たにぐち よしろう)。