土門拳が生まれた旧鷹町にある神社こんにちは、スタッフKです。
今日は土門拳の誕生日です。
土門拳は、旧酒田町鷹町15番地の母親の実家で、明治42年(1909年)10月25日の夜11時半頃、父熊造・母とみの長男として生まれました。
現在の酒田市には鷹町という町名はありません。さて、旧鷹町って、どのへんなんだっけと、先日カメラを持って散歩に出かけました。
現在の相生町1丁目、あいおい美術館さんの前を通って、左に曲がると、とんかつ わたりさんの近くに、鷹町稲荷神社があります。15番地がどこかまでは、はっきりと調べていませんが、この神社の近所だったに違いありません。銀杏の大木があるこの神社に、生まれたばかりの拳ちゃんを抱っこして、お母さんのとみさんが、健やかに育てとお参りしたかもしれませんね。きっと銀杏が黄色に染まりはじめる季節だったでしょう。
さて、ついでに足を延ばして、一番町のござのやたろう(阿部弥太郎商店)さんの前にある、「写真家土門拳ゆかりの地」の標柱も写真に撮ってきました。ここは、旧下内町で土門家が代々染物業を営んでいた場所です。土門拳の父熊造はもともと呉服屋の糸谷家に生まれたのですが、近所の土門家に養子に入りました。
土門家の祖先与三郎が天保時代に染めた絵幕(塞道幕)は、今でも酒田の文化財として大切に保存されています。私も見たことがありますが、まあ、昔の酒田の活気が伝わる立派な美しい幕でびっくり。与三郎さんと拳さんとは血縁は無いわけですが、その家が持つ美的な感覚は受け継がれたのでしょうか。
土門拳は幼少時代、旧台町(現日吉町)に住んでいたそうですが、そことは別に、この旧下内町に住んでいた時もある、という話もあります。親戚のところに身を寄せるようなこともあったのかもしれません。
土門拳は小学校入学前に東京へ引っ越したので、酒田で暮らしたのはほんの6年という短い期間です。生家も残ってはおらず、親戚も遠い方しかいらっしゃらないようですが、土門の祖父糸谷六郎兵衛の子孫の糸谷聰様は現在も酒田郷土史研究会の重鎮としてご活躍されています。今度、糸谷様に詳しくお話を伺うことになっているので、楽しみにしているところです。
108年前の今日が誕生日。その頃の酒田と幼い土門拳に思いを馳せて…。